▼平成24年/中学2年
継承されている演劇としては「世界最古」といわれる日本独自の舞台芸術であることを知る。担任としても日本の伝統文化を理解する第一歩という感じ・・・。
『能』の歴史、日本や世界においての文化的価値、伝統を学ぶ。 能面を実際に手に取り興味を深め、演じる者により能面は表情を変えることを学ぶ。 小鼓を初めて体験するが音が出せない。 舞と謡から構成されていることを知り、発声の練習をする。 (ほとんど声を出すことができず、気まずい雰囲気のまま授業が終了。) |
発声に特別な技術が必要であること、恥ずかしさなどから声が出ず歌うことができない。生徒たちの中では諦め感もあった。
謡は声が出ず、下平先生から取り組む姿勢が良くないと厳しく指摘される。
「若い君たちの一生懸命やろうとする気持ちが大切であり、伝統をつなぐ力である」という教えが響く。
クラスで取り組み方を話し合った。そして考えた。
一生懸命に声をだして謡うことができた。生徒たちが一つ乗り越えた。
50分間、目一杯、謡と舞に集中した。
舞うことに楽しみを感じるようになってきている。
足の運び目線、扇子の位置や向きをチェックしながらの細かい動きを練習。
生徒たちは、伝統文化である『能』を実際に演じることにより、その難しさを痛感し、奥深さに戸惑った感もあるが、「楽しいかも」という感覚と興味も手に入れた。
▼平成25年/中学3年
謡い舞うことに真摯な姿勢で取り組む様子が見られた。
保護者も参観した。
動きがスムーズになり、大きくなったことで下平先生から褒めてもらう。
下平先生と野村萬斎の能と狂楽の舞台を鑑賞する。
生徒は実際の舞台をみて、厳格な雰囲気と迫力に感動していた。
謡を付けての舞にTRYするが不十分な状況であった。
集団での舞が形になり、下平先生からの指示もより高レベルになってきた。
生徒一人一人の中に楽しさが見えてきた。
生徒は興味深く楽しそうに聞いていた。その表情は2年スタート時とは明らかに違っていた。
着物の色の鮮やかさと重さを体感することができ、面をつけた自分がどのように映っているか興味津々であった。 |
手の高さ、足の運び、扇子の位置などお互いチェックをしながらの練習。謡は声を張って一生懸命歌うものの、能の発声の域には達していない。
2年間、同じことを何度も繰り返して体で覚えた日本の伝統文化といった印象。
『能』に触れることで、その奥深さを感じ、日本の伝統文化の厳格さを学び、興味関心を持つことができたように思う。貴重な体験であった。